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2007年04月01日
柑橘系ビター
革についての基礎知識(4)
「識る」
革を識る
いよいよ、「革を識る」のシリーズも最終回です。
狂牛病があまり騒がれなくなりましたが、実は革の世界では狂牛病の影響が今になって出ていて、厚手の大きな革が手に入りにくくなっているとのことです。初めて知りました。一枚一枚の革を大切に使わないといけない、と改めて思いました。
ところで、このシリーズの講師今野社長のお店オーソドキシーでは、超整理手帳やA7メモ用のカバーをいろいろ創っておられます。私もいくつか使わせていただいていますが、それぞれの革の特性を生かし、引き出した上質のものばかりです。和キップのシリーズのうち「鈍色」の超整理手帳カバーは、使うにつれて色が微妙に変化して味わい深いものになってきています。また、メッシュの革製超整理手帳カバー、コンテスは、使えば使うほど表面が滑らかになりツヤが出てきて手になじんできています。手に入れる時は、ちょっと高級すぎて自分にはもったいないような気もしたのですが、上質なものを使うと中味もそれなりのものにしようという無意識の意識が働いているような気もします。何よりも、お客様等と向かい合ってスケジュールを確認したりメモをとったりする時に上質のものを使うということは、お客様にも安心感を与えることにつながるのではないかと思います。
日本の古来からの色にこだわった和キップのシリーズやメダリオンやコンテスといった超高級のメッシュシリーズといった新しいものに常にチャレンジし続けるオーソドキシーは、文房具好きの私にとっては、目の話せない存在です。今野社長は革には徹底的にこだわりを持っておられますが、細かな希望についても親身になって相談にのっていただける大変気さくな方です。今年は超整理手帳のスペシャルボックスも売切れてしまって、アマゾンでは9千円近い法外な値段がついています。このような時には、末永く使えるオーダーメードの革カバーを手に入れるのも一考かと思われます。この記事を読まれた方々が殺到して、注文に製作が追いつかなくなってしまうというのを私は最も心配するのですが。
ご参考までに、オーソドキシーさんのサイト等は以下のとおりです。
和キップシリーズ、メッシュシリーズは過去のシリーズですので今は手に入らないと思われます。個別のオーダーメイドであれば対応していただけるかもしれません。
オーソドキシー オフィシャルサイト http://www.orthodoxee.com/top.html
ノグラボ ストア 内 http://www.noguchi.co.jp/newstore/store_orthodoxee.php
和キップシリーズ http://www.noguchi.co.jp/datebook2006/index_cover_orthodoxee.php
メッシュシリーズ http://www.noguchi.co.jp/datebook2006/index_cover_orthodoxee2006.php
では、最終回、お楽しみください。
七.仕上工程
6.つるして干す
7.水と油で洗う
8.つるして干す
これでいわゆるヌメ革が出来上がる。ただ、この段階のものが市場に出回ることはない。
9.染色
水、染料、皮を一緒に入れる → 仕上げでは、同じ染料を1枚ずつ手作業でスプレーして、濃い薄いを調整。会社のレシピによってそれぞれやり方が違う。
10.柔らかくするために振ったり、型押ししたり、プレスしたり、伸ばしたりする
洗って、オイルを塗って、伸ばすのがセットで行われる。
ベンネルという革伸ばしのための機械は、多分世界中でここ(栃木レザー)にしかないようなたいへん古い機械。
八.表面加工
(1)バフィング (起毛加工)
やすりをかけるように削る。スウェード(トコ面にサンドペーパーをかける。原則、子牛革。)、ヴェロア(スウェードに同じ。ただし、ケバが長い。)、ヌバック(銀面をこする。ケバが短い。)。
※バックスキンとは、 鹿の革、buck skinのこと。牛革のことはバックスキンとは言わない。 銀面を除去して、バフィングする。
(2)グレージング
銀面をガラスや金属などのローラーで強い圧力をかけてこすって、硬く、つるつるにする。エナメルは、顔料やウレタン樹脂で加工。
(3)アイロン仕上げ
アクリル系塗装液を使い、アイロンで過熱し圧力をかけて、ツヤ出しする。。
2,3は、水にぬれても拭けばすぐ水分が取れる。
(4)型押し 、モミ等
九.その他の面白いお話
- 通常、1枚の革の一番よい部分にはその会社の大きな刻印がされていて、そこは使えないし、おなかの部分も延びきっていたりするので製品には使えない。 実際に製品に使えるのは、1枚の革の半分くらいの大きさの部分のみとなってしまう。
- 狂牛病の影響で、今、革が足りない。狂牛病で騒いでいた頃より今、ここ2年くらいが一番牛不足の状況である。その理由は次のようなものである。飼料の肉骨粉は、牛の生育を大変よくする。早く大きく育てることができる。これを使わないと、2/3くらいの大きさにしか育たない。つまり、革の大きさが2/3くらいにしかならないということ。牛は肉のために作られるものしかない。革のための牛というのはない。肉のための牛なので、狂牛病にかかると全頭焼却してしまうので、牛が少なくなっている。また、肉骨粉の飼料を使わないと、革自体が薄くなる。このようなわけで、厚手の革で大きなものを作るということがが難しくなってきている。
- ホワイトハウスコックスもタンニンなめしで、弾力が失われない素肌に近いなめし方である。既に述べたように、タンニンなめしの革を作るのは工場でのライン生産には向かない。そのため栃木レザーでのタンニンなめし革の加工も全て手作業ということとなっている。これに対し、ホワイトハウスコックスは、工場でライン生産しているタンニンなめしの革を使っている数少ない会社である。オーソドキシーとホワイトハウスコックスとでは、縫製の仕方(ヘリの処理)が違う。オーソドキシーでは、ヘリ部分のかどを面どりして、コバにやすりがけして手で磨く。これは、工場でのライン生産はできない。完全な手作業だ。手間はかかるが、手作りのよさがある。これに対して、ホワイトハウスコックスでは、工場でのライン生産がしやすいように、ヘリの折り返す部分を薄く漉いてある。この部分を折り返して縫っている。
- 型だし(立体成型)は、型を作って機械でやる方法もあるが、大がかりで大きな機械が必要となる。手作業では、木の板の上に型だししようとするものを置いて、ぬらした革をぎゅーっと伸ばして、釘で止めていく。この、ぬらして伸ばすを2回やる。熱すぎると型がとりにくく、薄すぎると破れやすいので、いわゆるヌメ革は1.8ミリくらいの厚さがちょうどよい。
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革製品が雨にぬれたときには、全体を、しみのついたのと同じくらいの深さまでびしょぬれにぬらして、陰干しする。すると、突っ張ってしまうので油分をつける、クリームを塗る。数日に分けて、すこしずつ回数を分けて塗っていくとよい。ただ、これも革にはあまりよいことではないので、何も処置せずに、気にしないで使うというのも一つの手。これがエイジングであり、革の良さが出てくる。
以上
投稿者 柑橘系ビター : 2007年04月01日 00:00
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